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気がついたらなんとも 一年半以上もこのサイトに何も書いてなかった (笑)。 その間 コロナが 世界中で猛威をふるい、 私たちが今まで暮らしていた 生活環境が 全く変わってしまった。 私も自分の身の回りのことに追われ、このサイトも余りにご無沙汰だったので、もうやめようかとも思った。けれど 友人から「 継続は力なり、だから続けて」 と言われ、思い直してまた再開することにした。
コロナのお陰で映画産業の 仕事環境も一変して、 撮影前の準備期間では、リモートワークが主になった。とにかく、俳優の一人でもコロナになれば、撮影はストップしてしまうのだから(と言うことは、大変な金銭的損失)、各スタジオ、ネット配信会社はクルーメンバーに「オフィスに来るな!」とお触れを出し、また大枚叩いてコロナ検査を徹底させ(これって、すごくお金がかかります)、コロナ監視人みたいな役を作り上げて、新しい雇用が産まれた(笑)。
コロナの初めは、勿論業界は完全ストップ。けれどしばらくするともう配信できる新しい作品がないため、撮影を何とか始めようとの努力がなされ、このためリモートワークが必然的に産まれた。何が何でも、必要最低限以外の人間はスタジオに来るな!という訳。アートデパートメントは、元々撮影現場で仕事するものではないので、この移行は比較的簡単だった。もっとも、デザイナー達をこれまでのように「すぐ話せるように、自分の手の届く所に置いておきたい」、「デザイン修正は毎日何回も起きるのだから、遠く離れていたらどう連絡するんだ」などと言って、変化にすぐ適応できない人たちもいたけれど。が、そんなこと言ってる間も無く、コロナ対策の大波に飲まれて今日に至る。
兎にも角にもリモートワークは進み、私も色々経験した。そしてそこで思ったのは。
- ロスの地獄の交通渋滞が避けられて、時間が節約でき、通勤ストレスが消滅
- 仕事後の自分の時間が増えた!(運転して家に帰る時間が節約)
- 仲間とのつながりが薄れる:いつもなら同じ部屋で毎日最低でも10時間、ジョーク飛ばしながらアイデア交換ができたのに、家では一人で、寂しい。スマホやコンピューターでジョーク送っても、即座の反応はなかなか無い。
- 色々なコミュニケーションアプリを学んだ
- でもやはり、人と人との直接、対面でのコミュニケーションが一番早い。特に私たちアートデパートメントは話が通じなければ、紙にスケッチして話せるので。これはコンピューターでも出来なくないが、めんどくさい
もっとも、私たちのリモートワークの制限など、日本での「家からリモートワーク」の状況と比べると、遥かに恵まれていたんだと思う。日本では仕事部屋など無いことがほとんどで、キッチンの片隅やベッドの上で仕事などと言う住宅事情。本当に大変だっただろうと思う。
こちらの現在では、みんなでまた元のようにオフィスに戻って仕事をしよう、したいと言うのが大勢を占めて来ており、多くのプロダクションがまた昔のようにオフィスで仕事している。最低週一、撮影現場の人間は週一どころか毎日コロナ検査という状況は変わらないけれど。
私の好きな言葉に(ジョークなのだけれど、本質を得ていて)“When there is chaos, there is MONEY”と言うのがある。よく仕事で無茶苦茶忙しく、みんなストレスが溜まっている時に、笑い飛ばすジョークとして言った言葉。みんな笑った!「大混乱の中には金が潜む」とでも訳そうか。「ピンチはチャンスだ」に近い。コロナは大変な猛威をふるい、多くの命が失われ、それについては言葉もないが、明るい面に目を向けた時、コロナというchaosから、人類の叡智を集め、とてつもない超スピードでコロナワクチンが開発されたように、映画産業でコロナ監視係ができたように(笑)、また何が新しく創造されていくのかを見てみたい。
